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Dye D? 2

第23章 単独


錦戸は独り、屋敷の廊下を歩いていた。

先程から続く
自分の心のざわめきに耐えられなかったからだ。

自分の頭には、ゲストの女が浮かんでいた。

ゲームの始まりは、あの女が来てからだった。

仲間が落ち着きをなくして
どことなく浮き足立っているのも
あの女が来てからだと、思っていた。


錦戸はゲストの部屋に来て、舌打ちした。


錦戸「ちっ、逃げられてるやん」


そう言うと、部屋に入り、辺りを見渡していた。

何の変哲もない客室に、
錦戸は僅かな違和感を感じていた。

それは、吸血鬼の感覚なのかも知れない。

錦戸は知らぬ顔をしながらソファーに腰をかけた。


錦戸「ほんまに、ムカつくヤツやな...」


そう言うと静かに目を閉じた。

錦戸は神経を集中し始めた。

この部屋に潜んでいる者を探るために、
部屋の隅々まで探りを入れる。

本来なら、
人間の血の匂い、脈の音などで敵を捕まえる事が
出来るが、
血の匂いすらしない敵に
自分の力を弄ばれているようにさえ思えた。

錦戸は、一瞬でソファーから飛び退いた。

そして、自分の人差し指の爪を伸ばし、
部屋に飾ってある絵画の隅に突き刺していた。

爪の先には、小さい女の絵があった。


そこから血が滴り、錦戸の爪に伝わってくる。


錦戸「なめるんも、大概にしとけよ」


そういうと、その絵に更に深く鋭い爪を突き刺した。

絵画の女の顔が動き、
いやらしい微笑みを見せた。

背筋に冷たいものが走り、
錦戸は爪を抜きその場から後ろに退避した。

その途端、大きな爆発音と共に
絵が爆発して部屋ごと吹き飛んでしまった。
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