第18章 失脚
ステンドグラスの部屋に戻り、4人は息をのんだ。
黒いフードの者がを捕えて、立っていた。
大倉は、動揺を抑えるように
目を閉じて大きくため息をついた。
ゆっくりと目を開けると、
その瞳は深紅に変わっていた。
大倉「その人を離せ...」
フードの者は何も言わずに立ち尽くしていた。
錦戸と渋谷、安田はお互いの顔を見合わせて、
霧に変わった。
大倉はゆっくりと、相手に近づき始めた。
「近寄るな、お腹の子がどうなってもいいのか?」
その言葉で、大倉の動きが止まる
大倉「お前の目的は何だ...」
フードの者の口が少し上がった
「永遠の若さと、お前たちの消滅...」
そう言うと、を掴んでいる腕に力を入れた。
「くっ....」
苦痛に我慢出来ず、声を漏らす
大倉「やめろ!!!!」
大倉が大声を上げた瞬間、
霧に変わり、身を潜めていた錦戸が後ろから現れ、
フードの者の腕を強く掴んだ。
その瞬間に安田は倒れたを受け止めた。
安田「ナイスキャッチ!」
大倉に向けて、安田は微笑んだ。
続いて渋谷がゆっくりとフードの者の前に現れ
渋谷「ゲーム終了やな」
そう言うと、フードをめくった。
しかし、その瞬間フードの中は砂になり
パサリと音を立て、力なく床に落ちた。
渋谷「ちっ、また逃げられたか..」
渋谷は悔しそうに呟いた。
大倉「、大丈夫か?」
大倉は慌ててに駆け寄り、尋ねた。
は静かに頷いた。
そして、震える身体でみんなに告げた
「あの人、私が子供の時にも来たの...」
はそれ以上、怖くて言えないようで
ガタガタと震える身体を必死に
自分で抱きしめ、恐怖に耐えていた。
錦戸「なぁ、これ以上 相手に好き勝手させへんように、
全部 話してくれないかな?」
そう言うと、頭をかきながら椅子に座った。
安田は、フードの者が残した砂を触っていた。
安田「あ、あったで!」
そう言うと、小さいメモを拾い上げた。
渋谷はそのメモを安田から受け取り、
渋谷「やっぱり、マリアか....」
小さいメモに描かれたマリア様の絵を見ながら
悔しそうに呟いた。