第17章 入り口
横山、丸山、村上はリビングの絵の前に立っていた
丸山「犯人の臭いがここに...」
村上は驚いた
村上「何やて、絵の中におるんか?」
丸山は小さく頷いた
横山は、絵に近づき目を細めて見て回った。
時々、絵に触れて
丸山の言葉を確かめるようにしていた。
丸山は二人に、
辛そうな顔を見せて重そうな口を開いた
丸山「僕の母は、この女に殺された...」
その言葉に、二人は衝撃を受けた。
丸山は二人の顔を見ながら、続けた
丸山「僕の親は、二人とも吸血鬼なんだ...」
二人は声も出ずに、丸山を見つめていた
横山「大倉の赤ん坊と同じって事か?」
丸山は静かに頷いた。
丸山「僕の微かな記憶では、
母は僕を助けるためにアイツに殺された...。
それだけは覚えてるんだ...」
辛い過去を話す丸山に、
村上はそっと寄り添い、背中を撫でた
村上「...そうやったんや」
丸山は昔の事を思い出し、辛そうにしていた。
拳を握りしめて、
怒りと恐怖と闘っているようだった。
その姿を見た横山は、絵の方に向きなおると
丸山に告げた。
横山「吸血鬼の敵討ちしたろやないか」
そう言うと、再び絵に触れた。