第14章 夢
私は夢を見ていた。
まだ子供だった時の...。
教会の前で一人ボール遊びをしていた私...
転がしたボールを追い掛けた
すると、ボールの先に女の人が。
その綺麗な女の人は
ボールをひろって近寄ってきた
そして、私に言った。
怖いほどに優しい声で...
「ちゃん、
貴女が未来で赤ちゃんを宿したら
私がもらいに行くからね...
次こそ、もらいに行くから覚えておいてね..」
私は飛び起きた。
身体中が震える。
あの人は、あの人は...
お腹に赤ちゃんが出来てから、毎回見る夢。
何度見ても怖くて震えてしまう。
すると、
側にいた大倉さんが
何も言わずに突然私を抱きしめた
「大倉さん...」
抱きしめられている腕からは
優しさを感じた。
彼は涙を流しながら、
私を抱きしめ続けていたのでした
「大倉さん?」
私は、どうしたのかと心配になった。
すると彼は抱きしめる腕に力を入れ
大倉「君を守りたいのに、僕だけでは
役不足なのかなぁ...」
消えそうな声で囁いた
その瞬間に私の胸は潰れそうになった
でも、私は彼が抱き締めている腕をそっとほどき
「大倉さん...、ごめんなさい」
今は謝る事しか出来ない私。
あの女は誰なのか。
貴方が私を守りたいように
私も貴方を守りたいんです。
貴方を誰よりも愛しているから...。
私はその言葉を胸にしまい
彼との愛に距離をとったのだった。