第15章 涙を流さないのは
ハムハム、ハムハムハムハム。
さっきからずっと甘噛みしてるけど、はまったのかな。というか冷たい。
よだれつくかなーと思ってたけど、こーちゃんの口からよだれは一滴もでていない。死んじゃったらそうなるのかな?
「………怪我はないかい?」
「ないけど。」
「ふぁっひはっはっひむームーー!」
「なんて!?」
私の腕噛んでモゴモゴしゃべるのやめてもらっていいかな!?
「てゆーかはーなーれーろー!」
「ムー!楽しかったの二。
おねーさン、怪我なら職員室デ…」
「わー!黙って!口を閉ざしてフォーエバァー!ほら手!ハムハムしてていいから!」
「あきタ」
わー、自由人。待って待って。征十郎からゴゴゴゴゴとか聞こえてきそうなんだけど!?
「咲姫……?どういうことかな?桃井のパーカーと大輝のジャージを着てることになにか意味があるのかな……?」
「ご………ごめんなさーーーーーーーーい!」
いや私は何を謝っているんだ。しかも土下座スタイルで。
※※※※※※
「デデッデデデン♪デデッデデデン♪チャララ~チャララ~♪」
「渡辺、アウトー!」
「いや、ほんとしゃれになってないのでそのノリ。」
見事なBGMのさつきちゃんと今吉さん。絶対楽しんでる……!
あのあと強制的に青峰くんのジャージから征十郎のジャージに着替えさせられた。
いや確かにこっちの方が私のサイズにあってるけど、ブカブカに変わりないよ?
「よかったやん。幸せな家庭築きや。」
「それどういう意味ですか?」
「………桃井、まさか…」
「えぇ。咲姫ちゃんはウルトラ級に恋に疎いんです。」
いったい、なんの話しだろうか。まぁいいか。考えたって時間の無駄である。