第8章 復讐
「それガ、この惨劇の始まリ。僕はある意味生き残リ。自分の意志があるからネ。他の皆は理性を復讐心に飲み込まれてル。」
気がつけば、職員室だった。でもあの光景が目に焼き付いて離れない。
「大丈夫だ。」
虹村先輩がそう言って頭をなでてくれる。虹村先輩の手は安心する。
「…ごめン。辛いの見せたネ。」
「ううん。きっと、佐藤君の方が辛かったと思う。」
「僕は平気。もう死んでるからこれ以上怖いことないもン。」
ヘラッと笑う彼は本当に強いと思う。
…佐藤君、お母さんのこと好きだったんだな。
「…それでネ、音楽室のツギハオマエダっね文字だけド……。
ここに来たのハ、君達が初めてじゃないんダ。
あの男が現れたあの日かラ、ここは変わっタ。皆醜い姿になっタ。
あの男をここに連れ込もうとしタ。でもそれは上手くいってないみたイ。
あの男に関係する…まぁ友人だとかが間違ってここに来てる。
その友人の友人とか。もっと関係ない方向いってるけどネ。
今回のターゲットがお姉さんだったってこト。その道ずれに友人さん達もやってきタ。言わずもがなはずれだネ。」
ここまで一息で言うと、何もかもを吐き出すように佐藤君はため息をついた。
彼自身、早くこんなこと終わらせたいのだろう。
……ていうか、皆がここに来たのって私の………
そこで虹村先輩が頭をなでていた手に力をこめた。
「い、いた!?痛いです!痛すぎです!」
「お前また変なこと考えてただろ。別にお前のせいだなんて思ってねぇよ。」
エスパーだったんですか……!?
でも、なんかすごくホッとする。
「……すみません。」
「今はここから出ることを考えろ。で、その方法はなんだ。」
考えろ、と言って佐藤君に聞くんですか!?
いろいろ矛盾してる………!