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箱庭【夢小説の庭】

第3章 【短編】待ち恋




「あ、それとね。嘘か本当か分からないけど、兵長ってばロゼのこと一目惚れしたんじゃないかって噂があるのよ。」
「え、ええ!?ないない!!私なんかに一目惚れとか!」
「えー?そうかなー?」
「そうだよ!」
「事実だが。」
「事実だって。」
「だから違…………って、兵長!?」


いつの間に来たのか、私の隣の席には噂の兵長がいた。基、私の、か、彼氏…です。

ペトラは気付いていたみたいで変わらずにこにこしていた。そして、用事を思いだしたとかで去っていった。明らかな気遣いに恥ずかしくなってしまう。

それに…


「…あの。」
「なんだ。」
「一目惚れ、って…」
「…本当だ。悪いか?」
「っ、そ、そんな魅力、私にありませんよ!」
「…お前は少し、無自覚が過ぎる。」
「え?」
「少しは自分の可愛さを自覚しろ。馬鹿。」
「へ、んんっ!」


たくさんの兵士達で賑わう食堂にて、白昼堂々といちゃつくバカップル。辺りはうんざりしながらも、見守る視線は優しい。


こんな幸せが訪れたのは、兵長が…リヴァイさんが私の恋心が花咲くのをずっと待っていてくれたから。

長い間、嫌いになってごめんなさい。気付かなくてごめんなさい。

待っていてくれて、ありがとう。

貴方が芽吹かせてくれたこの想い、生涯貴方にだけ捧げます。だから…

ずっと隣に、近くにいさせてくださいね。


「大好きです、リヴァイさん。」






*待ち恋*

(ロゼ、エレンには金輪際近付くなよ。)
(え?どうしてですか?)
(エレン以外の男共とも極力話すな。)
(…リヴァイさん、ヤキモチですか?)
(…悪いか。)
(ふふっ。そんなに束縛しなくても、私はリヴァイさんのものですよ?)
(!)
(リヴァイさんこそ…目移りしないか心配です…)
((……こいつ、俺を殺す気か。))

─…ぎゅ。

(馬鹿が。今更お前以外愛せねぇよ。)


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