第5章 *3*
エルヴィンの言葉で、動き始める調査兵団。門を通過した所で、左前方10m級の巨人が接近してくる。
「クソッ!取りこぼした!」
「隊列を死守しろ!!」
調査兵団の援護班が巨人を仕留めようと、動き始める。その近くに通り過ぎるサシャ達の班。ひッ!と恐怖の声を漏らすサシャ。
「怯むな!援護班に任せて前進しろ!」
進めー!という声が響き渡っていくのだった。音に敏感なキュラは、目を覚まし耳をピクピクと動かす。それに気付いたクロークとシーラ。
「どうした、キュラ?」
「動き始めたよ……。」
キュラの言葉に、目を細める2人。やがては、立ち上がりシーラは言った。
「人間共が動き始めたみたいだから、どうする?様子を見に行く?」
「うん、行ってみよう。今の人間共はどこまで抗うのか楽しみだよ。」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべながらキュラは立ち上がり、フードを深く被る。同様に、クロークも立ち上がり様子を見に行くのだった。