第5章 *3*
「最後にシャフトを交換したのはいつだ?」
「6日前の掃討作戦の後です。」
「すべて登録にある。」
憲兵団達が、新兵に立体機動の確認を行っている。今、確認されたのはサシャだった。1人の憲兵団がサシャに確認を聞き、サシャが発言をしたところ、もう1人の憲兵団が紙を確認しながら伝える。
「よし次!お前だ。」
「41班所属、クリスタ・レンズです。」
サシャの隣にいたクリスタにも確認を取る憲兵団。
「巨人を殺して罰せられることもあるんだな。」
「確かに…変な話だけど貴重な被験体だからな。」
「それで俺ら訓練兵の中で犯人捜しか…いるわけねぇよ。」
「あぁ…皆今日まで続けた戦場の処理で憔悴しきっているのに。」
他の訓練兵から次々と、そういう声が聞こえてくる。それを聞いていたコニーが言った。
「巨人が憎くてしょうがなかったんだろうな。」
コニーの隣にいるアルミンが、…うんと返事をする。
「でもこれじゃあ巨人に手を貸したようなもんだよ…。その人の復讐心は満たされたかもしれないけど人類にとっては打撃だ。」
アルミンの考えに、コニーがわかる気がする、と答えると少しだけアルミンが驚きの表情へと変える。
コニーは、目線を下の方へと向けていて語り出す。
「もう何も考えられなくなっちまうよ。オレ…巨人をみる前は本気で調査兵団になるつもりだったんだぜ…。」
コニーは、意外な言葉を出す。どうやらコニーは、憲兵団ではなく調査兵団に入ろうとは考えていたみたいだ。
しかし、ここで巨人の恐怖を感じてしまい、自分の考えが分からなくなっていた。けど…と言葉を繋げるコニー。
「今はもう二度と巨人なんか見たくねぇと思っている。」