第2章 再会
茶化すような葉山くんの言葉に真っ赤になった顔は、きっとアルコールだけのせいではないだろう。「大人をからかうんじゃありません!」と強気に言い放って熱くなった顔をパタパタと仰げば、葉山くんはもっと笑った。そして、自然な動作でポケットから携帯を取り出す。私にも出す様に促されれば、だいたいは想像がつく。
「ねね、めぐみさんの連絡先教えてよ!良かったら今度遊ぼ!」
「いいけど…こんなオバサンと遊んでも、楽しくないかもしれないよ?」
「何言ってんの!そんなに年変わんないじゃん!それに、オレはめぐみさんと話してて楽しいよ?」
「あ、ありがとう…。」
真っ直ぐに伝えられる気持ちに頬に熱が持つのを抑えられず俯けば、葉山くんは早く早くと急かしてくる。私の鞄から携帯を取り出して、いざ目の前に出そうとしたところで、個室の扉が勢いよく開かれた。
「葉山。中山7さんから離れろ。」
此処に居ないはずの赤司くんが、息を切らせて葉山くんをギラリと睨みつけていた。