第6章 俺にくれない?ーJIYONG-
いいところだったのに。。。
マスターにハサミを借りにカウンターに来た。
「あれ?ジヨンじゃない?」
声をかけられて振り返ると真っ赤なリップを塗った女がいた。
『だれ?』
「もぉ〜この前一晩一緒にいたじゃない。。。ねぇ今日どう?」
そう言って女が腕を絡めてきそうになったから振り払った。
『悪いけど2度と俺に話しかけないでくれる?』
「ひど。。。なによ!調子に乗ってんじゃないわよ!」
そう捨て台詞を吐いて女は去って行った。
「ジヨン。お前いい加減にしないといつか刺されるぞ。ほらハサミ」
ハサミを取りにいって戻ってきたマスターがそう言った。
『ははw大丈夫っすよw』
「どうだかwそれより珍しいじゃん。ジヨンがここに女の子連れてくるなんて。」
『あーうん。。』
「なんだよ。ついに本気か?」
『んーわかんない。でも。。そうなる。。いや。。そうなのかも。。』
ハルに特別な感情が芽生えているのを自分自身でも否定出来なかった。
VIPルームに戻るとさっき座ったままの体勢でいるハル。
『なに。そのまま待ってたの?』
「だって動いたら痛いんだもん」
[だもん。。じゃねーよ。。クソかわいいな]
『じゃあ切るよ?』
「うん」
俺は言われたままハサミを入れようと髪に手をかけた。。。
でも。。。
[こんな綺麗な髪切るのもったいねーな]
そう思って。。
ジョキ。。。ジョキ。。。
「え。ちょちょ。。ちょっと待ってジヨン。。」
『なに?』
「どこ切ってんの?」
『え?引っかかってるとこ』
「いやそうじゃなくて。。いやそうなんだけど。。」
『なんだよwはいとれたよw』
そう言って俺はハルの髪ではなく、引っかかってたワンピのファスナーを切って髪をはずし、それをハルに渡した。
「や。。。やっぱり。。。どうすんのよ!」
怒りながらハルが振り向いた。
『どうするって。。。』
[その斜め座り。。。足がセクシーすぎてやべぇ。。]
「聞いてんの!?」
『え?あ。。うん。。』
「この服ジヨンが買ってくれたばっかりなのに!まだ。。何時間も着てないのに!」
『え?そこ?wまた違うの買ってやるよw』
「これ以上買ってもらう理由ないし」
そういってハルはフンっと背中を向けた。