第2章 始まり
『…なにこれ』
学校から帰宅したぼくが目にしたのは、机の上に置かれている2通の手紙。1通はメモ帳を破って畳んだような簡易なもの。もう1通はまるでヨーロッパの貴族が出すようなおしゃれなもの。
『こっちから開けてみるか』
ぼくはメモっぽいものを開いてみた。
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今日から海外に転勤になりました。明日にはこの家を出てね。荷物は後から業者さんに送ってもらいます。
学校は転校手続きしといたから、手紙に書かれている所に行ってください。 父と母より
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『…………………』
もう1通の手紙を開いた。
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白神 悠 殿
貴殿の編入をここに許可します
忍術学園 学校長 大川平次渦正
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『…………………………………………………………はあ、準備するか』
人間って驚きすぎると一周まわって冷静になるみたいです。