第2章 君の隣
自分の馬鹿さに呆れて涙が出そうになる。
手をついて体をひねると、
私はラビに向かって呟いた。
「ラビ、...疲れてる?よね.......」
「ん?」
「ごめん、私...全然ラビのこと気遣えてなくて」
顔を上げたラビは、優しく微笑んだ。
「別に疲れてねぇし。
リランに癒されてっからこれでいいんさ」
「本当に無理してない?」
「してねぇよ」
それでも不安そうな顔をしていたからか、
ラビは私の首に腕を回して横に寝転がった。
頬を両手で包んで、髪をさらさらと撫でてくれる。
「大丈夫さ。オレは、リランが
隣にいてくれるだけで幸せ♪
今のため息は幸せのため息さ」
「でも.......」
言うなり、顔の肉をむにーっと横に伸ばされた。
「にゃ、にゃにひゅんの(なにすんの)!」
「うん、可愛い可愛い♪」
「ひゃめへほっ(やめてよ)!」
「やーめなーい♪♪」
からかうラビの手を無理やり
顔から引き剥がし、
ベッドから起き上がって服を手に取る。
「なんかさー」
「なに?」
髪を後ろに払いながら振り返ると、
ラビは肘をついて私を見ていた。
「光に照らされて着替えるリランって、
なんか色々ヤバいさ」
「なっ.......!?」
顔が赤くなるのが自分で分かる。
咄嗟に持っていた服で体を隠すと、
ラビは可笑しそうに笑った。
「ははっ、なぁに今さら隠してんさ?
昨日はずっとオレの前で...」
「ラビの馬鹿、変態ッ!
見ないでッ!!」
怒鳴りながらラビのTシャツを投げつけた。
すぐにブラウスを羽織り、ボタンを止める。
「んー、ブラウスだけのリランも...」
「それ以上喋るなッ!」
懲りずに言うラビに、今度は
机に置いてあった本を投げた。