第2章 先々代の部屋
水鏡は蘭の得意な事の一つだった。基本蘭はほとんどの術が{得意}か{好き}の分類に入る。
「令とあやめの結婚のこと?匡と祥の当主争いのこと?」
やっぱり分かっていた。
「匡の八大は?」
でも、一応確認はする。
「太郎・次郎・三郎と令悠は普通に入ったっしょー。豊前は引き続き丈がやるんだっけ。祥が臣下に降るなんて心配だなぁ。あとは…剛。」
確認するまでも無かった。当然だ。
「あ、あとな…」
次の話をしようとした。
「え~まだあんの~」
五年も居なかったのだ。他にも話すことはある。
「相変わらず失礼だな。まぁいい、本題に入るぞ。八大の他に新しく決起の枠を作ろうと思うんだが…」
興味は無さそうだった。
「蘭にしようと思ったけど隠れるんだもんな。華にするか。」
蘭と華の力は変わらない。でも器が違う。華や剛は力と比べて器が小さく、封印しなければ暴走する。でも蘭は力と器の大きさが同じで暴走することは無い。だから蘭のほうが使いやすい。