第8章 2-第四話
「姫さんスマホかしィ。撮っちゃる。」
「あっ、ありがと」
「ホラ並んで並んで。」
楽しそうな声が響く中でかすかに聞こえた玄関扉の開く音、そして廊下を歩く足音。気のせいであってほしい。
「おっ、えぇカンジ♪」
「可愛いですね。」
「ほんとにカップルみたいだな。」
「やだそんなこと…」
姫様の言葉を止めた人。視線を辿らなくても分かる。あれは気のせいじゃなかった。
うげぇ…
「は…早いね帰るの。」
「早く帰って来たんだよ。おまえが彼氏の写真を撮りに来ると思ってさ。」
でも面白くなってきたw
「どれ、見せてみろ。」
姫様のスマホ、写真表示しっ放しじゃないかな。
「へぇ、なかなかお似合いじゃないか。削除。」
「わぁー―――!怒んないでよ、しょーがないでしょっ!」
「うるさい、デレデレしやがって!そんなに撮りたきゃ俺がハメd「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
スパーン!