第7章 2-第三章
あんな目にあったばかりなのにこんなに簡単に付いてくるなんて。少し仙果としての自覚が足りない。仙果なんていつでも狙われているのに。ましてや(未来の)烏水家の当主夫人なのに…髪を切りながらでもそのことについてお話しなければ。
「姫様。」
「何?」
「その辺の人にほいほいくっ付いて行っちゃだめですよ。」
「付いて行かないよ!そんな子供じゃないし。」
「私に付いてきちゃってるじゃないですか…」
「だって…華ちゃんだし…八大さんくらいなら大丈夫だと思っちゃう…」
「それで祥さんの襲撃ですけどね。」
「…」
黙ってしまった。やっぱりこの姫様は放置できない。簡単に敵にさらわれそうだし。
「とにかく知らない人…知ってる人でも警戒してくださいね。今回は私が不覚でしたけど…。」
「はーい。」