第5章 六年前
「とりあえずお話でもしましょう。」
「だね~何もすることないし。」
「でも話って何を話すんですか?」
会話が速くてついていけない…。
「桃に質問すれば~。」
転校生になった気分。
「それいいわね。じゃあ最初の質問!」
「事務的な質問にするか…桃の存在を知っているのは誰と誰?」
本当に事務的な質問だなぁ。
「んと…ここに居る皆さんと匡さんと令さんと匡さんのお父様、お母様、おじい様だと思います。」
バレないかぎりは。
「じゃあ、もう一つ事務的な質問。桃、学校大丈夫?」
あ、大丈夫じゃない。
「調べてみたらお前の戸籍無いみたいだし、大丈夫だろ。あそこの村自体存在が無かったことにされている。どっかの民族の村だったのかもな。」
教えてくれたのは匡さんだった。