第4章 十年前
あぁ、唯ちゃんやこうちゃんは居ないんだ。永遠に会えない。唯ちゃんママのあのご飯も食べられない。皆でキャンプにも行けない。もうあの笑顔や声も永遠に…
「桃。お友達が会いに来てるわよ。」
お母様の声が聞こえる。行かなきゃ。呼ばれている。でも友達って誰?この辺に子供なんて居ない。友達だって唯ちゃんとこうちゃんだけだった。
「はい。今行きます、お母様。」
階段長いなあ。どこまで続くんだろう。ご飯食べなきゃ。起きてからまだ何も口にしていない。
「桃、お早う。あの…大丈夫?昨日、何が何だか分かって無いみたいだったから。」
玄関に居たのは悠だった。僕を心配して来てくれたのだろうか。
「ここで立ち話も難でしょう、中に入る?お茶くらいしかお出しできないけど…」
お母様が提案した。
「いえ、お構いなく。」
なぜか帰ってほしくないと思った。
「入ってって、遊ぼう?」