第1章 *昔話
だから、雨は嫌いなんだ。
そこから私の記憶は飛んでいて。
気が付けば、皆真っ黒な服を着て、皆泣いていた。
私は、未だに信じられなかった。
…まぁ、今でもそうだけど。
だって、昨日まで笑ってたのに。
昨日まで、すぐそこにいたのに…
私の目から、涙が零れ落ちた。
もう、泣きわめく気力も無くて。
ぼんやりと、何かを考えていた。
よく覚えてないけど、確か、誰かがお葬式のときに言ってくれた気がする。
……美亜ちゃんのせいじゃないよ。
元気だして!
そんな綺麗事で、私が元気を出せる訳がない。
むしろ、痛かった。
中途半端な優しさが。
そんなことを言うんなら、責めて。
私を、もっと。
そう。
これは、昔のお話。