第1章 真逆なことを並べてみた
告白なんて、するつもり無い。したところで、だし。でも、たまに思う。杏子が異性だったら、杏子に彼氏が居なかったら…って。でもどう足掻いてもどうにもならない。それなら、告白なんかしてギクシャクするなんて馬鹿なこと絶対にしない。
何度そう心に決め、この想いを封じようとしたか。でも、もう溢れかえりそうなんだ。
「…空蒼さ、杏子のこと好きなん?」
声がし、咄嗟に振り返ると杏子の彼氏が立っていた。
「は…?何言ってんの?」
笑うことに努めたが無理だった。どうしても、片頬が引きつってしまう。
「だって空蒼はいつも杏子を見てるから。」