第1章 真逆なことを並べてみた
ふと横を見ると、杏子が彼氏と歩いていた。
二人で登校ですか。羨ましいことですわ。
心の中で少しムッとしてみた。するとそれが届いたのか杏子は笑った。気付いてくれたのかと思いきや彼氏の方に顔を向け何かを話した。どうやら彼氏の話に笑ったようだ。
何故か泣きたい気持ちに襲われ、早足で歩いた。杏子は、彼氏の歩調に合わせてかいつもよりゆっくり歩いているので追い付かれることはないだろう。
追い付いて欲しい。本当は彼氏なんて放っておいて一緒に登校して欲しい。だがそれは無理なことだって分かっているので気を紛らわす為に学校に着いたら何をしようか考えた。