第3章 告白【ハイキュー/東峰 旭】
「すいません!こ、腰が抜けちゃって……」
真っ赤になった顔を隠すようにして言った鈴木さん。
どうしよう。ここでどうするのが正解なんだろう。
考えながらとりあえず立ち上がろうとしたときだった。
「あれ……?」
足に力が入らない。
俺の間抜けな声に反応したのか、
彼女はきょとんとした表情でこちらを見ている。
ダサい。俺今すごくダサい。
「ごめん。なんか、緊張しすぎたのか、足に力が入んないや」
力なく笑って見せると、一度フリーズしてから、
クスクスと可愛らしく笑い出した鈴木さん。
「え、な、なに?」
「いや、なんか、いつもの先輩だなって思って……ふふっ」
「鈴木さんだって。やっといつもみたいに笑ったね」
お返しと言わんばかりに言い返して、顔を見合わせて笑い合う。
「鈴木さん」
「はい?」
ふと笑うのをやめて名前を呼ぶと
こてんと首を傾げる彼女。
自分が息を吸う音とドクドクといった心臓の音が
やけに大きく聞こえた。
「こんな俺だけど……付き合ってください」
「……っ!!……よ、よろしくお願いします!」
俺の言葉を聞いて 一度大きく目を見開いたあと
花が咲いたような笑顔を向けてくれた鈴木さん。
少し空いた窓から入る風が始まりを告げるように通り抜けた。
END