第3章 異変
ユリが風呂に入っている間北山は
自身が主演している舞台台本を読んでいた。
「1週間後からは稽古が入るから、
しっかり覚えておかないとな......。」
それからしばらくして...
「パパ、あがったなの。」
「ぁユリ、もうあがったのか......って
俺がこっちに夢中だっただけか(笑)」
どうやら台本に夢中だったらしい。
「何見てる、の?」
ユリは首をかしげる。
「舞台の"台本"だよ。これを覚えて、
最終的には全部見ないでやるの。」
「だい、ほん......?」
「そっそっ」
「......面白い、なの?」
「うん。凄くやりがいのある仕事だし、何よりお客さんが笑ったり喜んだりしてくれるのが1番嬉しいからな。
公演日初日にはユリに見せてやるよ!
だから楽しみにしてろよ?」
「ん......舞台見る、なの。」
「いいところ見せてやっからな。」
ユリの頭を撫でる北山。
「なでなで、なの。」
「(笑笑)......あ、そうだユリ!」
「......?」