第20章 また出会う日まで...
ユリと別れてほぼ一年...
「北山、お前はオフの日どっか行くのか?」
「っちょっと...北海道に行ってこようかなって思ってる......
休みちょっと長いから......」
「......まさか、ユリちゃんがいる白桜山に行くつもりなのか?」
「っ......っ別に北海道に行くからって
ユリのとこに行くって決めつけんなよ......」
「仮にそうだとしても、行ったついでにってことで行くだろ?
お前のことならな。」
「っ......」
藤ヶ谷の野郎......
「お前チャラいって言われてる割には一途で熱血だし、親バカだし......それに、
ユリちゃんのことが好きになってたんだろ?
妹とか、娘としてじゃなくて......」
「っ......!」
「やっぱりな......お前の表情、恋する女の子って感じで悩んでる......」
「っ別に俺は......!」
「別に隠さなくてもいいだろ......それとも、自分じゃ気づいてねぇのか?
女の子として好きって......」
「っユリはもうここにはいないんだ!思っても......意味ねぇだろ......」
仮に俺がユリをひとりの女の子として好きだとしても......
この思いは届かねぇよ......。
「......まぁそれはお前が決めることだしな......
俺がどうこう言う資格はねぇよ。お前が好きなようにしろ、
自分が後悔しないようにな......」
「......あぁ。」
ほんと、
藤ヶ谷には痛いところばかり突かれてくるな......