第19章 別れ
「パパ......」
「っユリ......」
「ユリといて、楽しかったの?」
「そんなの当たり前に決まってるだろ......
俺は今だって......ユリと離れたくねぇって思ってる......」
「......でも、それはできないの。」
わかってる......
俺がどんなに思っても、この道は避けられねぇって......
「わかってる......っわがまま言ってゴメンな(苦笑)」
「......パパ、」
「っなんだ......?」
「また泣いてるの......」
「っ......」
どうやらまた、涙が出ていたらしい......
「パパらしくないの......」
俺らしくない......確かに、いつもの俺じゃねぇわな......
「っ......」
「笑うの......」
ユリの今の願い......それは、
俺が笑うこと......?
「笑ってほしいの......」
「っ......あぁ(微笑)」
俺は涙をなんとか堪えながらユリにめいいっぱいの笑顔を見せた。
「......パパなの(微笑)」
「っユリ......!」
俺はユリを抱きしめた。
「パパ......」
「ユリ、お前この一年で凄い成長したな......」
「成長したの?」
「あぁ......これなら、ちゃんと王になれる。
......俺が、保証してやる......!」
「ありがとうなの......パパ(微笑)」
「それに、お前笑うことが多くなったよな?
それも、凄い成長だよ......」
本当にユリはこの一年で成長した......
出会ったあの頃が、ほんと昔のことのようにも思えた。
「ユリ......」
「パパ......」