第16章 現実
「俺から......ユリを引き離してください......」
「っパパ......」
「......。」
「っユリ......」
(これが、ユリの為なんだよ......)
「っや......いや...なの.....ぃ、や......」
嗚咽を漏らしながら頭を横に振るユリ。
「ユリ、わかってくれよ......お前の本当のパパは、あの人なんだ。
あの人が本当の家族なんだよ......」
ユリは頭を振り、
「っ父上は家族なの......でも、パパも家族なの......!」
「っ......」
そんなこと、言わないでくれよ......せっかく、
別れを告げようと決心したのに......これじゃあまた......
「ユリ......」
父はユリの肩に手を置いた。
「っいや......!」
「ユリ、私の話を聞いてくれ......!」
「っ......」
ユリは顔を胸元に疼くめ、服の裾を強く握る。
「ユリ...おn..「ユリ、ちゃんとお父さんの話を聞いてやれよ......」
「......。」
ユリはゆっくりと顔を上げ、父親を見る。
「ユリ......わかったよ(微笑)」
父はユリをまっすぐ見つめた後微笑んだ。
「......?」
「ユリの気持ちも、貴方の気持ちも分かりました.....」
「っえ?それってどういう......」
「ユリも貴方も、離れたくないんでしょう......」
「「っ......」」
「なら、私が父親として出来ることはただ一つ......」
「父上?」
「ユリ......