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人狼少女を拾いました

第16章 現実


「傷......つける?」



「あぁ......お前は全狼族の王族、王女だ。
いつしか、私を引き継いで森の主、狼族の王となる......」








「......避けては通れない道、なの?」



「そうだ......お前は、私を継がなくてはいけないんだ。」



「......。」



顔を俯かせるユリ。



「ユリ......辛いことだがこれが現実だ。
現実を、受け止めてくれ......」



ユリは再び顔を上げ、



「なんで駄目なの......ガヤはずっとパパ達といるの。」



「ユリ、さっきも言ったとおりお前は王女だ。他の人狼や狼とは違う、
まだ自覚がないといえ私の娘であり白狼族の後継者だ......
お前はいつか、覚醒する日が必ずくるだろう。」



「......王になるの?」



「まだ王ではない、王女として、姫として森に残り......
森の精と共に守るのだ。
そこでお前は森のことを学び、少しずつ王への階段を登っていく......」



「パパ達と、会えなくなるの......。」



「......あぁ、それだけじゃない。お前は覚醒と同時にそれまでの記憶を失う。
当然、彼らとの思い出も全てだ......」



「っ......!」



一気に涙をためるユリ。



「時が来るまでこの世界で暮らしたいというなら構わない、だがその分......























別れは辛いものだぞ?」



「っ......」



涙を今までにないくらい溢れさせ、大粒の涙を地面にまで伝わせた。



「っ...ぃや......なの......」



「ユリ......?」



いやなの......パパ達のこと......



「っ......!」



「っユリ!!」



ユリは踵を振り返し宏光の元に走り出す。



「っパパ......!」



「っ.....ユリ!?」






パパ達のこと、忘れたくないの!!









ずっと......ずっと......



































一緒にいたいの......!
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