第15章 最終決戦
「守りたいものがないかって......」
「......。」
「俺は......」
リョウガはユリに視線を送り、圭人に視線を戻した。
「大事な友達を守りたい......!」
「リョウガ......」
「......(微笑)」
圭人はしばらくの間を作り微笑んだ。
「君にもあるじゃん、守りたいものが......(微笑)」
_コクッ「......それに俺、全部思い出したんだ。」
「......。」
「俺は北アメリカで生まれた狼で、ハイイロオオカミ族の王子だったんだ......」
「やっぱり、君は王子だったんだね......」
「それで、俺達ハイイロオオカミ族は
白狼に永遠の忠誠を誓う一族でもあったんだ......遠く離れていたとしても、
どこまでも駆けつける一族として......」
「......だから、あの時ユリに懐いていた?」
「かもしれません......でも、
元々俺達は小さい時から一緒に遊んでたりしてたんですよ。」
_コクッ「パパがリョウガを連れてきて、一緒に遊んだの。」
「パパって......もともと御子柴さんのことは“パパ”って呼んでたのか?」
「パパがそう呼ぶように言ったの......」
「......お前と同じだな。」
シレっと言う太輔。
「っ俺そんなこと言ってねぇし!ユリから言ってきたんだけど!?
そもそも原拠は小児科の先生と看護師さんで......」
「言い訳無用。」←
「だから言い訳じゃねぇってば!」
「......(苦笑)」
(こんな状況でもあれって......これが大人の余裕...って言うやつなのかな?)
圭人は苦笑いしながら先輩達のやりとりを見ていた。
_ポンッ「岡本、お前はまだ若い。あんな大人達にはなるなよ。」
いつ来たのか、裕太が圭人の肩をポンとしながら言う。
「っいつの間に......!?」
「っ貴様等......」
穏やかになった空気の中、親友を目の前で殺された凛太郎は
常に冷静な表情を崩し険しい表情でユリ達を睨みつけていた......。