第12章 滅亡の危機
「ことが片付いたら、必ずユリをお前達に会わせる。
それまで、待っていてくれ......」
「......あぁ。アンタの方こそ、死ぬんじゃねぇぞ?」
「......それは難しい約束だな、だがユリ達は救い出してくる。
神楽、早く彼らを......敵はまだどこかに潜んでいるかもしれん。」
「はい。皆さん、行きましょう。」
「「「......。」」」
メンバーはそれぞれ複雑な思いのまま神楽の後に続いた。
「......北山、行くぞ。」
太輔は宏光の肩を掴む。
「っあ、あぁ......」
(今は、信じるしかねぇ...のか......)
宏光も重たい足を進めた。
__車の中
「「「......。」」」
車の中は沈黙の時間が続いていた。
「......神楽さん、」
そんな中、太輔が口を開いた。
「どうしたんですか?」
「これは、僕の推測なんですけど......西園寺達って、
人狼なんですか?」
「人狼......なぜそう思うんです?」
「なんとなくです。もしかして奴らは、
純血種の人狼なんじゃないかって思えてきて......」
「別に人間が憎くなるのは狼に限らず人間だって思うんじゃねぇか?
それに、アイツ等が人狼だったら御子柴さん達だってわかるはずだろ......」
「......ならなんでアイツ等は人狼のことを知っているんだ?
研究所は日本政府にも隠している秘密組織、
人狼だってただの迷信としてしか世間に知られていない......。」
「お前の考えすぎだろ、藤ヶ谷......」
(もし奴らが人狼だとしても、それがなおさら純血種なら......
人を殺すなんて、アイツ等だけでも十分なはずだ。
ならなんでユリ達を拐ったんだよ......)
「だと、いいな......もしアイツ等も人狼だったら、
この世界は間違いなく破滅する......。」