第2章 パパと娘
「......早くタオルを巻け......。」
俺は顔を横に逸らしながら、ユリにタオルを渡す。
「ん......」
ユリはタオルを巻こうとするが......
「......出来ない......。」
何度やっても解けてしまうらしい......。
「......はぁ、しょうがねぇな。」
俺はまたもややむを得ずユリのタオルを巻く。
もちろん目を逸らしながら......
(クソォ...やりづれぇ......。)
目を逸らしながら巻くのはメチャむずい......。
「......よし、これで解けることはないからな。」
「ん......ありがとぉ......」
お、ちゃんと『ありがとう』って言えるようになったか?
なぜか俺はそこに感心してしまった......。
「じゃあ、先にそっちに行ってて?
俺もすぐに行くから。」
「ん......」
ユリは浴室に入っていく。
「はぁ......やっと解放された......。」
タオルを巻いたとはいえ、
やはり目のやり場に困るものだ......。
でも、俺もどのみち入るんだけどな......。
俺も服を脱ぎ、タオルを巻いて浴室に入る。
浴室に入るとユリは風呂のお湯を手でイジっていた。
「ぁ、パパ......」
「だから俺はパパじゃ...はぁ、もういいや......。」
「......ここに入ればいいの?」
「そう、暖かいから入りな?」
「ん......」
ユリは湯船に浸かる。
「......パパも、入らないの?」
「ぁ、あぁ......俺も今入るよ......。」
ユリに言われるがままに俺も湯船に浸かる。
「......。」
「......。」
(やっべぇ......マジで目のやり場に困る......)
一緒に入ったものの、男としては目のやり場に困る。
「......何で、目、逸らすの?」
ユリ......鈍感にも程があるだろ......(汗)