第9章 人狼への目覚め
「......あっけなかったな。」
__ジャキッ
「っ......!」
リョウガは爪を鋭く変幻させた。
「っくそ......」
「安心しろ、お前は死なせない......少し大人しくなってもらうだけだ。」
リョウガは太輔の胸倉を掴み、爪を変幻させた右手を後ろにやり......
「っ藤ヶ谷ぁぁ!逃げろ!逃げろよ!」
「っ大人を......舐めんなっ!」_ガッ!
「んぁっ!」
太輔は降りかかってきた右腕をつかみ、右手でリョウガの頬をかすり
リョウガは太輔の左側へと投げ飛ばされた。
「っリョウガ!」
ユリは勢い余ってリョウガの元に走っていった。
「っユリ......
まさかリョウガを、純血種を......突き飛ばすとはな......」
「っユリちゃん......」
「「っユリ(ちゃん)!」」
「っ...うっ......」
「リョウガ......大丈夫?」
リョウガの元にしゃがみ込みユリは頭に手を置いた。
「っユリ......俺は大丈夫だよ......
ごめん、ちょっと油断しちゃった(苦笑)」
「傷あるの......」
起き上がったリョウガの頬を触れない程度で触る。
「これくらい平気!すぐ治っちゃうから......
ユリは下がってて?......ユリ?」
リョウガの頬を優しく触ったあとユリは顔を下にうつ伏せた......。
「......ユリちゃん?どうs..「リョウガ、傷つけたの......」......え?」
「リョウガ傷つけた......
許さない、
許さないの......」
再び顔上げ太輔を見上げるユリ。
「っ......!」
(っユリちゃん......)
太輔を見上げたユリの瞳は、
紅く妖艶に輝いていた......。