第9章 人狼への目覚め
「っ北山、タマ.....少し下がってろ。」
「「ぇ......?」」
太輔の言葉が理解できない宏光と裕太。
そして3人を捕まえようとする研究員達がこちらへと向かってきた。
「「っ......!」」
「3人とも、逃げてっ!!」
健永が声を上げるも、動くことができなかった。
「っ......!」
__ガッ!
「......ぇ?
藤、々谷......」
「っ......俺の仲間に、
手を出すなっ!」
「ぐっ......!」
一人の研究員は太輔の前に倒れ込んだ。
そしてうつぶせ状態となった研究員の下からは赤い血が流れていた......。
「藤ヶ谷.....っお前......」
太輔の右手は赤く染まってあり、
先ほどのユリと同じように長い爪から雫をこぼれ落ちていた。
「これは驚きだな......まさかここに、
混血種の人狼、
狼のなりそこないがいるとはな......」