第7章 本当のパパ?
ユリside
誘拐される前のこと...
ピッ...
「......。」
ユリは宏光と太輔が会っている間、テレビをつけていた。
ちなみにかけていたチャンネルはニュース番組。
『今朝、五十鈴動物園から狼の子供が行方不明になりました。
警察等は脱走として捜査を進めております。
ですが檻には脱走した形跡があらず......』
ユリが見ていたのは昨日行った動物園から
狼の子供が脱走したというニュースだった。
「......行かなきゃ、なの。」
衝動的にむくりとソファーから立ち上がった。
そしてユリは玄関まで走りスニーカーを履きドアを開けようとする。
「......開かない、なの。」
どうやら鍵が閉まっていることを忘れていたようだった。
だがユリはすぐに鍵を開けドアを開いた。
そして再び走るユリ。
「......。」
『これは鍵。ドアのところにある穴に挿して回すんだよ。』
『......苺なの。』
『鍵より苺か(苦笑)』
だがエレベーターの前で先ほどのことを思い出し......
「鍵、閉めるの忘れたなの。」
エレベーターの前を引き返し部屋の前まで戻った。
そしてネックレスを首から外し鍵を閉め再びエレベーター前まで走る。
そして一言......
「......疲れる、なの。」←
往復するの少しキツいようです(苦笑)