第5章 誘拐?
「っ俺がユリに預けた合鍵......」
っ何でここに落ちてるんだ?
歩いていくだけなら落ちることなんて早々ねぇだろうし......
仮に手に持っていても落としたなら気づくはず......
「っまさか......誰かに連れ去らわれたのか.......」
宏光の頭の中には最悪な出来事が過ぎった。
「っおい待て......よく考えろ......」
(連れ去らわれたってなると誘拐だろ?仮に誘拐されたなら、
犯人は何が目的だ?
身代金?人身売買、性的目的?......)
「っ藤ヶ谷に電話してみるか......」
スマホを取り出し、太輔に連絡を入れる宏光。
『もしもし北y..「っユリがいねぇんだ!」......っは?』
「帰ってみたら、ユリがどこにも見当たらねぇんだ。
今、外を捜している途中なんだけど......その道端で、
ユリに預けたネックレスが落ちてたんだ......」
『っユリちゃん......もしかして昨日の動物園に行こうと......』
「その可能性が高い!あのユリなら、行く可能性がある......」
『でも何で鍵が道端に......っまさか!』
「これ......っ人さらいとかの可能性が高いんだろ?」
『っそれ一番ヤバいやつかもしれねぇ!』
電話の向こうから太輔の慌てる声が聞こえてきた。
「......?」
『っもしかしたら......ユリちゃん、
"初めから"意図的に連れ去われたのかもしれない!』
「っそれどういう......」
(初めからって、どういう意味だよ......)