第1章 裕也と私
「それにしても今日は頑張ったわねぇ、何で?」
「…え、えっ?」
「私はこんな仕事しててなんだけど、結構沙雪ちゃんみたいな娘心配しちゃうのよね!ホストに全てをつぎ込むなんて普通じゃないもの」
「うん、私も分かってる…」
「あっ、ごめん!責めるつもりじゃなかったの!ただ、沙雪ちゃんが裕也さんになんでここまでしてあげるのか…私は分かってるつもり」
「じ、ジローちゃん…」
やっぱバレてた。というかそう言われる瞬間まで、絶対バレてないと思ってた。
「恋」ってバレないわけないよね。私はバカだ。
そう、それくらい好きなんだよー…
「裕也はね、ホストよ」
「うん」
「確かにプライベートでもいい人だけど、やっぱりホストなの。優しくすることが商売なのよ…」
「……」