第6章 〈エース〉あなたがいない世界は
戦争が始まって、だいぶ時間が経過した。エースの義弟であるルフィが海底監獄インペルダウンを脱獄した囚人と共に頂上戦争の戦場へと降って来たり、海軍の作戦に翻弄されたりしながらも、白ひげ海賊団はルフィと協力してエースの救出に成功した。そして、船長であるエドワード・ニューゲートの命令で、白ひげ海賊団は海軍本部から退散しようとしている。
「サーヤ!」
同じ2番隊の隊員が船に向かって走りながら、サーヤに話し掛ける。
「よかったな! エースが助かって!」
「うん!」
サーヤも隊員と同じく、船に向かって走っている。チラッと横を向くと、少し離れたところでエースがルフィと共に走っているのが見えた。しかし……。
「……ねえ、なんかあっち変じゃない?」
「何?」
エースたちの後ろにいた海軍大将の赤犬がエースたちに何やら話をしている。すると、エースは走るのをやめて、立ち止まってしまった。
「な!? エースのやつ、何してるんだ!?」
「……」
そして、そのままエースは能力を使って赤犬へと殴りかかった。
「!? エース!」
サーヤは船へ向かっていた走っていた針路をエースたちの方へと変える。
「おい! 待て、サーヤ!」