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【ONE PIECE】海を巡る者たち

第6章 〈エース〉あなたがいない世界は


「ごめんなさい。無理に話さなくていいよ」
 サーヤはエースの隣に立ち、笑った。
「エースが話したい時に聞かせてほしいな」
「……あァ」
 エースは少し辛そうに笑った。
「おーい、エース!」
 後ろからサッチの声がして、2人は振り返った。
「サッチ」
「今日の差し入れだ! ブリオッシュを作ったんだ」
 頭がコブのように膨れ上がったパンが隊員の数以上入ったカゴを持って、サッチはニカッと笑った。
「ありがとう。おい、みんな! サッチからの差し入れだ!」
 エースがそう声をかけると、隊員たちは船のいろんな所から集まった。
「うわー! 美味そう!」
「いい匂いだな!」
「ちょうど腹減ってたんだ!」
 船員たちは次から次へと来て、ブリオッシュを手に取り、口の中へ入れていく。
「どんどん食べろよ! まだまだあるぞ!」
 サーヤとエースもブリオッシュを手に取り、口にした。
「美味しい!」
「うめェ、さすがサッチだな」
「あったりまえだろ!」
 サッチは歯を見せて得意げに笑った。
 エースは1個目を秒で完食し、2個目に手を伸ばそうとした。しかし……。
「……ぐー」
 突然、寝てしまった。エースの体は大きく仰け反り、後頭部から床に叩きつけられた。ーーエースの癖である食事中に眠ってしまう現象だ。
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