第6章 〈エース〉あなたがいない世界は
「いいんだ。今回だけは。妙な胸騒ぎがしてなァ」
だが、白ひげの言葉もエースには火に油のようで、先ほどよりも怒りに満ちた瞳で白ひげを見た。
「あいつは仲間殺して逃げたんだぞ! 何十年もあんたの世話になっといて……その顔に泥を塗ったんだ!」
白ひげは真剣な目でエースを見た。やめろと訴えているのだが、エースにはそれが通じない。
「何より親の名を傷付けられて、黙っていられるか?」
エースはくるりと後ろを向いて、帽子を被って歩きながら言った。
「おれがケジメをつける!」
帽子を押さえながら、エースは殺意の目をして叫んだ。
それを聞いて、白ひげは唸った。だが、エースにはその声が聞こえず、リュックを持ってストライカーに乗り込んでしまった。
「おい、待てよい! 戻れ、エース!」
「エース!」
仲間たちの制止も聞かず、エースはティーチを1人で追った。
そして、エースはティーチに追いつき戦ったのだが……負けてしまったのだ。その結果、エースはティーチの手によって海軍に引き渡され、公開処刑を行うことになってしまった。サーヤたち、白ひげ海賊団はその公開処刑を阻止するためにここにいる。