第5章 〈ONE PIECE〉お前の夢の果て
『ま、まあまあ、キッドくん、そう怒らずに……』
さっきまで怯えていた監督がおれとトラファルガーの間に割って入った。
『それに、3人とも仲良くしてもらわないと困るよ』
「はァ?」
眉間に皺を寄せる。
(どうして、こんな奴らと仲良くしねェといけねェんだ?)
監督の後ろにいるトラファルガーも、気に食わねェがおれと同じような顔をした。
『え? 話聞いてないの? ちょっと、プロデューサー! 話が違うじゃない!』
監督は後ろに立っているプロデューサーに声をかけた。
『まだ言ってないですよ。この撮影が終わってからにしようと思ってたんで』
プロデューサーは意味ありげにおれらを見て笑った。
『まあ、でも、せっかくだから話しちゃうけど……』
プロデューサーの顔を見て、直感で思ったことがある。
(嫌な予感がする)
『今度、3人でユニットを組んでCDデビューしようと思ってるんだ』
「「はァァァァァ!?」」
おれとトラファルガーの声が見事にハモッた。
「ふっざけるな! どうしてこんな奴らと!」
「それはおれの台詞だ、ユースタス屋!」
向かい合っている奴と睨み合う。
『ちょっとちょっと、喧嘩しないで』