第5章 〈ONE PIECE〉お前の夢の果て
「キッド!!!」
キラーは語気を荒げた。思わず黙り込む。
「その本業で、ずっとドームツアーを回っていたから、『ONE PIECE』の撮影に来れなかったんだろ? 出番が少なくても、監督たちは悪くない。仕方ないことだ」
「……」
「同盟に裏切られたのも、シャボンディ諸島での共闘を再現するためだろう。ファンも楽しみにしていることだし、それは外せない」
「……」
「それに、おれが死ぬことも、ある意味仕方ないのないことだ。麦わらもトラファルガーも大切な兄貴分を失っているんだ。その2人の仲間になりたいのなら、それは致し方ないことだ」
「仲間になりたいわけじゃねェ!」
また語気が荒くなる。
「なんだよー、ギザ男。おれたちの仲間になりたかったのか?」
「寂しかったんだな。可哀想に」
「違ェ!!!」
椅子に座りながら、弁当を食べている麦わらとニヤニヤと笑いながら、こちらを見ているトラファルガーに怒鳴った。
「おいおい、いいのか? ヴィジュアル系バンドのボーカリストがそんなに叫びまくって。喉を痛めて音楽活動に支障が出るんじゃねェのか?」
「本気で殺されてェらしいな! 表出ろ! トラファルガー!」
トラファルガーは相変わらず、おれをおちょくって楽しんでいる。本当にいけ好かない野郎だ。