第4章 〈サボ〉あなたの側にいたいから
シェリアは驚いたように目をパチクリさせた。
「え……」
サボは少しだけ真面目そうな顔をして言った。
「『あなたの側にいたいから』だろ?」
「!?」
シェリアは少しだけドキッとした。
「な、何で……」
「そりゃあ……」
サボはシェリアの耳元に顔を近付けて呟いた。
「本の題名がそれだからっていうのと……」
あとは……と付け加えてから、サボがニヤッと笑って言った。
「お前がおれらについて来た理由がそれだったから、だろ?」
「!?」
シェリアは顔を真っ赤にした。
「サ、サボ!」
シェリアは上目遣いにサボを見た。
「あれ?」
そう言ってサボはニヤニヤとシェリアを見た。
「違ったか?」
「……」
『みんな、待って!』
『わたしも……わたしもみんなと一緒に海賊になりたいの!』
『みんなの……側にいたいから!』
「……」
シェリアはみんなと出航する前に自分が言った言葉を思い出して、さらに顔を赤くした。
「もう! サボなんか知らない!」
(本当は……みんなと一緒にいたいってだけじゃないのに……)
シェリアは立ち上がってまた船内に行こうとした。
「待てよ」
サボも立ち上がり、シェリアの手を握って自分の方を向かせた。
シェリアは少しだけ戸惑いながらサボを見た。