第4章 〈サボ〉あなたの側にいたいから
シェリアはため息をついた。
「……何で男ってわからないのかしら……」
「え?」
シェリアがボソッと呟いた言葉はサボには聞こえなかったらしい。
シェリアは首を横に振った。
「……何でか……本当にわからない?」
「……」
サボはしばらくの間、真剣に考えたが、やがて諦めたように首を振った。
シェリアはまたため息をついた。そして、サボを突き飛ばした。
「痛! 何すんだよ!」
「何すんだよ、じゃないわよ! サボのバーカ!」
シェリアは立ち上がって船内に戻ろうとした。しかし……。
「おい、シェリア! 待てよ!」
サボがシェリアの服の裾を引っ張った。
「ちょ、サボ……キャッ!」
「え……うわ!? シェリア!」
ドタッバタッ
「う〜」
シェリアは頭を押さえながら、上体を起こした。
「……シェリア……降りてくれ……」
「え!? うっそ、サボ!?」
シェリアはサボの上に乗っていたらしい。ーー転びそうになったシェリアをサボが助けたのだ。
サボから降りたシェリアは心配そうにサボを見た。
「サボ……大丈夫?」
「あ? あァ、大丈夫だ」
サボはニカッと笑った。
シェリアはホッとしたように微笑んだ。そして、眉を下げて言った。
「サボ……さっきの質問の答えなんだけど……」
「それ、おれわかったぞ」