第4章 〈サボ〉あなたの側にいたいから
「ヘッ」
エースは気に食わないとでもいうような態度をとって船内に戻って行った。ーールフィを引きずりながら。
「痛ェよ、エース! 離せよ!」
「ふざけんな! お前はおれと一緒に修行すんだよ!」
「嫌だー!」
「やだやだ言ってんじゃねェ!」
仲が良いのか悪いのか……エースとルフィはまだ喧嘩を続けながら船内に入って行った。
そんな様子を見て、シェリアはふふっと微笑んだ。
「仲が良いのね」
「そうか?」
サボは苦笑しながらシェリアを見た。長い金髪が海風に煽られてふわふわとしている。
ふと、シェリアは不思議そうに言った。
「そう言えば……何でエースはあんなに怒ってたのかしら?」
シェリアはエースとルフィが立ち去った方を見た。
「ルフィは何も悪いことなんかしてないのに……」
「……」
サボは少し複雑な想いを抱えた顔をした。
(……エースもあんな性格だからな〜)
少し微笑みながら、サボはシェリアの横に座った。
「ところで……シェリアは何を読んでたんだ?」
サボはシェリアの読んでいた本を見た。
「ん? ああ、これのこと?」
シェリアは本の表紙をサボに見せた。
「……『あなたの側にいたいから』?」
「うん!」
シェリアは少し照れたように笑った。