第4章 〈サボ〉あなたの側にいたいから
「シェリアー!」
ルフィは大きな声で、甲板に座って本を読んでいた長い金髪の少女を呼んで、勢い良く抱き付いた。
少女は少しだけ大勢を崩したが、慣れているかのようにルフィを振り返り微笑んだ。
「ルフィ……もう、危ないでしょ?」
「シシシ」
ルフィは歯を見せて笑った。
シェリアは少し眉を下げて笑った。
「もう」
仕方がないとでもいうような顔をしてから、シェリアは本を閉じた。
「なァ、シェリア。何の本読んでたんだ?」
ルフィはシェリアに抱き付いたまま言った。
「これはね……」
シェリアが本の説明をルフィにしようとした時、シェリアとルフィの後ろから2人の人影が歩いて来た。
「おい! ルフィ!」
「グヘッ」
エースがルフィの襟首を掴んで、シェリアから引き剥がした。
甲板に乱暴に降ろされたルフィは飛び起きて、兄であるエースを睨んだ。
「何すんだよ! エース!」
ルフィはエースの肩を掴んで怒った。
「何すんだよじゃねェだろ!」
エースもルフィの首を掴んで振りながら怒った。
「おい、エース。もうその辺にしとけ」
兄弟喧嘩をしている2人の仲裁に入ったのはこの船で1番しっかりしていて、なおかつ1番おっとりした性格の持ち主であるサボであった。