第3章 〈ONE PIECE〉愛してくれてありがとう
『そう。なんだけど、それを予想しちゃった視聴者がいて、脚本家さんが気に入らないからって急遽エースくんを殺しちゃったんだよ』
「「「……」」」
3人は一度目を合わせると、すぐに監督の方を見た。
「その予想した視聴者は今、どこにいるんだ?」
「ブログとかで書いたのか? それとも、Twitter?」
「どちらにしろ、特定できるんだろ? 今から行って……」
『ストップ! ダメだよ!? 視聴者を殺さないでね!?』
目がマジだった3人、特に兄2人を監督は宥めた。
「そいつのせいで、エースが死んだなんて嫌だな……」
ルフィは口を尖らせた。
『まあまあ、おれも気持ちは一緒だし、どうせなら大人になった3人が再会しているところを見たいな〜って思って、脚本家さんに言ってみたわけ。そしたら……』
監督はとある台本をエースとルフィに見せた。
『じゃーん! ifの時系列として、もしもエースくんが助かったらという話を書いてくれましたー!』
「「おおー!」」
エースとルフィは目をキラキラと輝かせた。
「ん? でも、何でサボはそれを言わなかったんだ?」
エースはサボを振り返った。
「2人を喜ばせたかったんだよ。2人とも読み合わせの時から泣いてたから、この撮影が終わって知らせたら喜ぶかなって思って」