第3章 〈ONE PIECE〉愛してくれてありがとう
『はい、カットー! お疲れ様でしたー!』
監督の掛け声で緊張の糸がプツリと切れる。
「ううっ……」
ルフィは撮影が終わった後も泣いていた。
「うっ……ううっ……」
血糊で体中ベタベタなエースが起き上がり、ルフィを抱き締めた。
「ルフィー!」
「エースー!」
2人は抱き合ってワンワン泣いている。
「おいっ! がんどぐ! 何でおれが大事なおどうどをおいで、ざぎにいぐんだよ!! おがじいだろ!!」
「ううっ……エーズがじぬなんで、いやだ!!」
2人は泣きながら監督の方を向いている。
「もう、ごんなじごどざぜるな!」
「うっ……ううっ……」
涙も鼻水も垂れ流しながら、2人は訴えた。
『そうは言ってもね……おれも最初はその予定じゃなかったんだけど、大人の事情っていうのがいろいろあってね……』
「おどなのじじょうっでなんだよ! ぞんなごどで、おれをごろずな!」
泣いているのか、怒っているのかすら、わからないような鼻声でエースは叫んだ。
「うっ……う……」
そこにやって来る1人の人影。
「うう……エースー! ルフィー!」
その人はエースとルフィを抱き締めた。
「「ザボーーー!」」
3人は抱き合ってワンワンと泣いている。