第20章 〈エース〉それでもあなたが……
「エース!」
「おー、何だ?」
1年前の夜、わたしは1人で甲板でお酒を飲んでいたエースのそばに行った。そして、抱き締めた。
「おいおい、どうした?」
「明けましておめでとう」
にこりと笑って、エースの顔を見た。
「なんだ。もう、年が明けたのか。ここにいたから気付かなかった」
「うん、それから……」
わたしはポケットの中からプレゼントを取り出した。
「お誕生日おめでとう」
プレゼントを渡して満面の笑みで言う。
「ありがとう」
エースは本当に嬉しそうに笑い、わたしをギュッと抱き締めた。
「プレゼントは何だ?」
「それは開けてみてからのお楽しみでしょ」
「確かにそうだな」
わたしとエースは顔を見合わせ、笑顔で笑い合った。
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