第14章 〈シャンクス〉私がオバさんになっても
「ひぃ!?」
店の男は覇気が弱まると、屁っ放り腰になりながらもすぐに店の奥へと走って行った。
「……元はと言えば、あなたが悪いのよ?」
「おれが? 何をした?」
無自覚なのか、先程まで若い子にデレデレしてたくせに良く言う。
「さっきまで、鼻の下を伸ばしてたじゃない。良くそんなこと言えるわね」
「なんだ、そんなことか」
シャンクスは私のオデコへと口付けを落とす。
「おれの妻が綺麗だって褒めてくれてたんだ。あまりにも褒めてくれるから、嬉しくてよー」
「……」
ニコニコとお酒で赤くなった顔をダラシなくしている。本当かどうかは定かでないが、彼の様子からして嘘ではないだろう。
「なんだよー、疑ってるのか? それとも、妬いてくれてたのか?」
「……あなたが昔、女ざかりは19だって言ったんでしょ?」
「そんなこと言ったか?」
彼はすっとぼけて首を傾げている。
「まあ、言ったとしても……それは冗談だな」
そう言って、再び私のオデコにキスをする。
「それよりよー、明日は海辺に行こうぜ。ここの海の景色はとっても綺麗なんだと! 久し振りに水着も着てよー」
「……派手な水着は無理よ? 私もそんなに若くないもの」