【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第11章 2人の時間
次の日の朝、アユナはみんなの分の朝ご飯を作ってから、自室に戻ってクローゼットを開けて服を選んでいた。
「う~ん」
(どうしよう?)
アユナは服とにらめっこをしている。
ー明日は自分の1番落ち着く格好で来い。
「……わたしが1番落ち着く格好……」
ーつまり、1番好きな格好……。
「……どれだろう?」
「何をそんなに悩んでいるんだ?」
いきなり、アユナの後ろから声がした。
アユナはその声にびっくりして、後ろを振り返った。
「ケイト! 何で……」
そこには、腕を組んで背中を壁にあずけてアユナを見ているケイトがいた。
「お前が朝から落ち着かない様子でいたから見に来ただけだ」
ケイトはごく普通だと言わんばかりに応えた。
「……」
「それで? 何で服を選んでいるんだ? どこか行くのか?」
アユナは慌てた。ーー船のみんなにはキラーと2人だけで出かけることを言っていない。言えば、絶対に反対されるからだ。
「……」
アユナは黙って俯いた。
ケイトはため息をついた。