【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第9章 海の上の戦い
「あー、面倒くせェ!」
おれは航海日誌の文章を書きながら、左手で頭を掻いた。
この航海日誌を書くことを提案したのはミーウだ。おれたちが〈ひとつなぎの大秘宝〉を見つけた時に、歴史に残るだろうと言って始めることにしたのだ。最初はミーウが書くと言ったのだが、キラーがどうせなら4人で交代して書かないかということになったのだ。
「クソッ」
小さい頃から、キラーに教えてもらったおかげで文字は書ける。だが、文章を書くことはどうも苦手だった。
おれは前のページをめくった。
「いいよなー、1日目と2日目は書くことあったもんなー」
今日はと言うと……。
「暇だ……」
何もない。島も見つからない。海賊も海軍も現れない。
「……暇だ……」
今、日誌に記したことはキラーとアユナが作った朝食のメニューだけ。
「キラーとアユナは朝食の片付けをしてるし、ミーウはやることがあるっつって部屋に篭ってるし……」
いつもであれば、この時間帯はミーウと手合わせをしている時間だ。だが、ミーウがいないので何もできない。
キラーを誘えばいいのだが、アユナとの時間を邪魔するのは悪いなと思う。
「どうすっかな……」
ペンを回しながら考える。